細い道路でのすれ違いのときや、壁などで擦ってしまったときなど、サイドミラーはバンパーと同じくらい破損しやすい部品の1つです。
もし、サイドミラーが故障した場合は、車を安全に走らせることができなくなります。
今回は、サイドミラーの故障について、修理費用や修理方法を徹底解説していきます。尚、筆者の経験に基づいた修理費用の相場も紹介していきますので、最後まで読んで下さいね。
車のサイドミラーが故障!
車のサイドミラーが故障したときには、いくつかの症状が現れます。ここでは、サイドミラー故障の症状や修理方法などを解説していきます。
サイドミラー故障の症状
下記の症状が出た場合は、サイドミラーの故障が考えられます。
- 電動格納式ドアミラーなのに格納しない。
- 片方だけが稼働する。
- 「ウィーン」と言う音だけが聞こえる。
- 動こうとはしているが、何か引っかかっている感じで格納しない。
- サイドミラー内のミラーが動かない。
- 手でサイドミラーを触ると簡単に動く。
- サイドミラーが見るからにブラブラである。
上記に挙げた事例は、電動格納式ドアミラーや電動ミラーの故障において、よくある多い症状ですが、最後の2つは手動式サイドミラーでも起こる症状です。
車内から電動格納や電動ミラーの操作をしても、サイドミラーが動かない場合は、「電動格納のスイッチ不良」か「モーターの故障」が原因です。
上記の症状が出た場合には、サイドミラーの故障が考えられるので、車の使用を控えるようにして下さい。
修理をする前に確認すべきこと
先ほども紹介しましたが、サイドミラーの故障で最も多いのは、「電動格納のスイッチ不良」や「サイドミラーを動かすモーターの故障」です。
低年式車や過走行車では、サイドミラー内部の部品劣化が原因で、サイドミラーやミラーが空回りすることがあります。
ただ、最近はほとんどの車に電動格納式ドアミラーや電動ミラーが標準装備されているので、故障の原因としては、スイッチ不良かモーター故障のどちらかが濃厚です。
先ほど紹介した「サイドミラー故障の症状」を参考にして頂き、どのような症状が出ているのかを事前に確認してから、修理に出して下さい。
故障個所を事前に確認することで、もしかしたら修理に出す必要がなく、自分で直せる場合があるからです。
サイドミラーの修理方法
サイドミラーの故障が決定的だった場合、どのような修理を行うのか?
ここでは、サイドミラーの修理方法について解説していきます。
ディーラーで修理する
車を買ったディーラーでも、サイドミラーの修理依頼は可能です。
サイドミラーの修理だけなら、ディーラーの店舗に隣接しているサービス(整備部門)で、修理することができます。ただし、塗装を要する修理の場合は、サービスでは修理ができないので、車をしばらく預けることになります。
ディーラーに修理を出すと安心感は得られますが、ごっそり新品の純正部品に交換する恐れがあるので、高額な修理費用が請求されます。
経済的に余裕がある人は、ディーラーで修理をしても構いませんが、修理費用を抑えたい人には、不向きな修理方法になってしまいます。
中古車販売店で修理する。
基本的にはディーラーと同じ修理方法ですが、自社工場を完備していない販売店は、下請けの整備工場に修理依頼を出します。
ディーラーと違って、純正部品以外の部品が使用できるので、修理費用を抑えたい人には、おすすめの修理方法です。
例えば、「純正部品が高いから、互換品を使いますか?」「中古部品を再生したリビルト品を使いますか?」など、安く修理できる方法を提案してくれます。
ディーラーと比べて、間違いなく安く修理できるので、顔馴染みの中古車販売店がある人は、作業工賃も融通が利くはずです。
整備工場で修理をする
顔馴染みの整備工場があれば、サイドミラーの修理を直接依頼することができます。
ディーラーや中古車販売店を介して、整備工場に修理の依頼をした場合は、販売店と整備工場の両方に利益が発生してしまいます。
整備工場に直接修理の依頼ができるなら、中間マージンが掛からず、安く修理ができます。
ただし、整備工場によっては、純正部品を使いたがる業者も存在するので、修理内容を事前に確認することをおすすめします。
また、一見客だと割高な作業工賃を請求してくる悪徳業者もいるので、整備工場に直接修理の依頼をする場合は、事前見積もりを取るようにして下さい。
サイドミラーの修理費用
サイドミラーの修理費用について解説しますが、故障内容や車種によっても、修理費用はバラバラです。例えば、軽自動車のサイドミラーと高級車のサイドミラーとでは、部品代だけでも桁外れに違います。
これから紹介するサイドミラーの修理費用は、上記のことを理解した上で、参考程度にお読み下さい。
サイドミラーカバーについた傷の修理費用
壁などで擦ってついたサイドミラーカバーの傷は、爪が引っ掛からない程度の傷であれば、コンパウンドを使って消すことができます。
小さな擦り傷程度であれば、カー用品店やホームセンターでコンパウンド(1,000円程度)を買って試して下さい。爪で引っ掛かる傷の場合は、コンパウンドでは消せないため、修理に出す必要があります。
もちろん、自分で塗装ができる人はDIYも可能ですが、塗装に必要な材料や道具を揃えるだけでも、5,000円以上は掛かります。
5,000円以上の買い物に加えて、大切な時間と労力を修理に費やした結果、納得の行く仕上がりにならなかった場合には、目も当てられません。
そうならないためにも、サイドミラーカバーの修理程度なら、業者に依頼しても10,000円以内で直せますから、DIYは考えずに初めから修理業者に依頼して下さい。
サイドミラーカバー交換の修理費用
サイドミラーカバーが割れてしまった場合は、カバーの交換もしくは板金修理しかありません。
車種によっては、サイドミラーアッセンブリーのメーカーもあるので、はっきりとした修理費用は、分からないのが実情です。
サイドミラーのカバーだけなら、5,000円~10,000円くらいで交換可能ですが、サイドミラーアッセンブリーの場合は、30,000円~50,000円は必要になります。
サイドミラーカバーが割れた場合には、ディーラーなどで修理見積もりを取ることをおすすめします。
ミラーの動作不良の修理費用
サイドミラー本体に破損がなくても、中のミラーだけが動かなくなることがあります。
ミラーが動かない場合は、ミラーを動かす「モーターの不具合」「配線不良」「スイッチ不良」のいずれかが原因です。
配線不良やスイッチの交換だけなら、10,000円前後で修理することが可能ですが、モーターの不具合になるとサイドミラーアッセンブリーになるため、30,000円~50,000円の修理費用は覚悟して下さい。
部品さえ用意できれば、1泊2日で直すことが可能な修理のため、ミラーの動作不良は難しい修理ではありません。
ミラーが割れたときの修理費用
ミラーが割れてしまった場合は、ミラー本体を交換するしかありません。ミラーの在庫さえあれば、簡単に交換できるため、1時間もあれば十分に修理することは可能。
修理費用は、ミラー本体を含めて5,000円程度で直すことが可能ですが、熱線が内蔵されているヒーテッドドアミラーが割れた場合は、サイドミラーアッセンブリーの車種もあります。
自分のサイドミラーが、ミラーだけなのか?熱線が内蔵されているミラーなのか?事前に確認してから修理依頼をして下さい。
サイドミラーの修理に保険は適用できる?
結論から言いますと、一般車両保険に加入している場合に限り、サイドミラーの修理に保険を使うことができます。
ただし、接触した相手が壁ではなく「車」だった場合には、エコノミー(限定型)車両保険でも修理することは可能です。
サイドミラーの修理で保険を使う場合には、破損した場所(接触した場所)から、保険会社に連絡をして、担当者の支持を受けて下さい。
ただし、保険を使ってサイドミラーの修理を行った場合は、翌年から保険等級が下がり、次回更新時には、保険料金も上がってしまいます。
そのため、少額の修理費用であれば、保険を使って修理をするメリットがありません。保険を使って修理する場合には、修理費用を確認した上で使用することをおすすめします。
10万円以下の修理費用であれば、保険を使って修理する人はほとんどいないはずです。
- チューリッヒ保険:https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-howto-vehicle-insurance/
サイドミラーを修理せず放置するリスク
サイドミラーの故障が発覚したとき、修理しないでそのまま放置する人もいます。サイドミラーが故障したままだと、後方の確認が正確に行えないため、重大な事故を引き起こすリスクがあります。
また、サイドミラーは、公道を安全に走行するための重要な保安部品のため、故障している個所によっては、整備不良に該当します。
整備不良の車で公道を走ることは、道路交通法で禁止されているので、修理せずに放置すると法的に処罰されます。
また、サイドミラーが故障した車で事故を起こしたときには、任意保険が適用されず、事故内容によっては、莫大な損害賠償や刑事責任が問われることもあります。
サイドミラーを修理せず放置することは、想像以上のリスクが伴うので、放置しないで早急に修理するようにして下さい。
サイドミラーが故障した際の応急処置
サイドミラーが突然故障したときは、慌てずこれから紹介する応急処置を行ってみて下さい。運がよければ、動くようになるかもしれないので、修理に出す前に試す価値はあります。
ヒューズを交換してみる
サイドミラー本体が全く動かない場合は、ただ単にヒューズが切れているだけかもしれません。
ヒューズは非常に小さな部品で、見た目は切れていなくても、内部で断線している可能性があります。
ヒューズを交換することで、動くことも多々あるので、ダメ元で確認することをおすすめします。
手で動かしてみる
電動格納のスイッチを押したとき、サイドミラーに動く気配がある場合は、軽く手で押してみて下さい。もしかしたら、稼働する部分が引っ掛かっているだけかもしれないので、手で押すことで直るかもしれません。
手で押すときの注意点としては、「力を入れて押さない!」ことです。
サイドミラーは、強い力で押すと外れる仕組みになっているので、力を入れて押してしまうと壊れる可能性があります。手でサイドミラーを押す場合には、優しく押してあげるようにして下さい。
接点復活剤を使ってみる
スイッチの接触不良で、サイドミラーが動かないことがあります。電動格納のスイッチは、はめ込みタイプが多く、簡単に取り外すことができます。
スイッチが外せたら、コネクターを抜いて接点部分に「接点復活剤」を塗って下さい。スイッチの接点部分の接触不良であれば、接点復活剤で汚れを除去することで、復活することがあります。
接点復活剤は、ホームセンターでも売っていますので、誰でも簡単に試すことができます。
エンジンを再始動させてみる
パソコンで不具合が起こったとき、「再起動」をしたことはありませんか?サイドミラーが動かないときも同じ原理で、エンジンを再始動することで、接触不良が改善することがあります。
運に頼るだけですが、「動けばラッキー」的な感覚で、試してみることをおすすめします。
絶縁テープで止める
サイドミラーがブラブラしてしまったときや、ミラーが完全に外れてしまったときは、絶縁テープなどで固定するしかありません。
絶縁テープで固定するのは、本当の応急処置ですが、サイドミラーが落下したり、ミラーが外れてしまう方が危険ですから、落下しないようにしっかりと固定して下さい。
万が一のために、絶縁テープやビニールテープを車載しておくことをおすすめします。
まとめ
車のサイドミラーは、ちょっとした拍子に擦ったり、ぶつけてしまう部品です。
車幅を確認する上でも、サイドミラーは非常に重要な部品で、故障することによって、重大な事故に繋がることがあります。
サイドミラーは簡単に修理できる部品ですから、故障したまま放置することなく、早急に修理するようにして下さい。
出先でサイドミラーが故障した場合には、記事の最後で解説した「サイドミラーが故障した際の応急処置」を必ず実践して下さい。
サイドミラーの故障は、絶対に軽く見てはいけません!