やばい!いつも通り車を使おうと思ったらエンジンが掛からない!
何だかいつもよりブレーキが固い?カチカチ音がするだけでエンジンがかからないなど、急いでいるときはパニックになりますよね。
特に早朝や気温が下がる冬に発生することが多く、電気はつくのにエンジンがかからないことは、決して珍しいことではありません。
今回は、電気はつくのに車のエンジンがかからない!その原因と対処法について、徹底解説していきます。
【原因】電気はつくのにエンジンがかからない?
電気がつくのにエンジンがかからないのは、物理的なことや機械的なことなど、いくつかの原因が考えられます。
ここでは、考えられる原因について、いくつか紹介していきます。
【原因①】操作方法に誤りはないのか?
慌てているときは、乗り慣れた車であっても、誤った操作に気づかないことがあります。
電気はつくのにエンジンがかからない!
カチカチしか言わなくてエンジンがかからない
よくある車の症状としてはこういった内容になるのですが、これらは簡単な操作ミスによってエンジンが掛からないなんてことも考えられます。
クラッチを切っていなかった
古いミッション車は、クラッチを切らなくてもエンジン始動ができましたが、最近の車は急発進を防止するため、クラッチを切らなければ、エンジンがかかりません。
ミッション車に乗り慣れていない人が陥るミスの1つで、「クラッチを切っていますか?」と聞いてみると、「クラッチを切る癖がなくて。」との回答が返ってきます。
ミッション車に乗る際には、急発進を防止する上でも、年式や車種に関係なく、「ブレーキを踏む→クラッチを切る→ニュートラル状態の確認」を実行してから、エンジン始動を行って下さい。
ブレーキを踏んでいなかった
オートマチック車は、ブレーキを踏まないとエンジンはかかりません。ブレーキを踏まずにエンジンを始動しても、セルは回りません。
また、ブレーキを踏む力を軽減してくれる「ブレーキブースター」が故障していても、ブレーキが固いままで、エンジンがかかりません。
オートマチック車に限らず、エンジンを始動するときには、必ずブレーキを踏む癖をつけて下さい。
その際に、ブレーキが固いようであれば、ブレーキブースターの故障も考えられるので、例えエンジンがかかったとしても、速やかに点検・整備を行って下さい。
スマートキーの電池切れ
最近の車は、スマートキーやインテリジェントキーなど、多機能キーが採用されています。しかし、電池が切れると電波が飛ばないため、エンジンスタートボタンを押しても、カチカチも言わず、無反応になります。
スマートキーの電池切れは予兆がないため、外出する際には予備のスマートキーを所持するか、メカニカルキーを使用してエンジンをかけて下さい。
ステアリングロックがかかっている。
エンジンを止めたときに、ステアリングロックがかかることがあります。ステアリングロックがかかってしまうと、上手くキーが回らず、エンジンの始動ができません。
キーが上手く回らないときは、ステアリングを左右に動かしながらキーを回すとロックが解除され、エンジン始動ができます。
その他
その他で、エンジンがかからない原因としては、シフトレバーが「P」または「N」以外に入っているか、ガソリン切れなどが考えられます。
シフトレバーが「P」や「N」以外に入っている場合は、ブレーキが固く、エンジン始動もできません。
ただし、リバースやドライブにシフトが入ったままでは、エンジンを切っても警告音が鳴ったり、キーが抜けないため、車を降りるときに気付くはずです。
また、ガソリンが空っぽになった場合は、燃焼する燃料がないため、エンジンはかかりません。セルは回るけど、エンジンがかからない場合は、ガス欠の恐れもあるので、燃料の確認をして下さい。
ディーゼル車でガス欠を起こした場合は、燃料を補充しても「エアー抜き」をしなければ、エンジン始動ができません。ディーゼル車に乗っている人は、ガス欠すると面倒なので、日頃から注意して下さい。
【原因②】バッテリーの状態は?
エンジンがかからない原因が、操作ミスではなかった場合、バッテリーに原因があるかもしれません。
- バッテリーが古い。
- バッテリーが弱っている。
- バッテリーの比重が下がっている。
電気はつくのに車のエンジンがかからない原因で、最も多いのが「バッテリーの不具合」。
車のバッテリーはスマートフォンのバッテリーと同じで、経年劣化や使用する方法によって、寿命が短くなり本来の性能が発揮できなくなります。
バッテリーの寿命が短くなる原因について、詳しく解説していきます。
長期間、車に乗っていない
車に乗らない期間が長いと、バッテリーの電圧(比重)が低くなります。この現象は「自然放電」と言って、スマートフォンを長い期間放置したままだと、充電がなくなるのと同じ現象です。
特にバッテリーが元々弱っている場合は、バッテリーが上がりやすくなっているので、数日乗らないだけでも、エンジンがかからなくなります。
ライトや室内灯の消し忘れ。
最近の車は、ライトの消し忘れは、警告音で知らせてくれます。
ただし、室内灯の消し忘れは警告音が鳴らない車種があるので、車を降りる際にはライトや室内灯の消し忘れに注意して下さい。
ライトや室内灯をつけたままでエンジンを切ってしまうと、バッテリーに蓄えた電気を使い切ってしまう(過放電)ので、エンジンをかけるための電力がなくなります。
特に古い車に乗っている人は、ライトと室内灯の消し忘れには十分注意して下さい。
エンジンを切った状態で音楽を聴く。
エンジンを切った状態で、音楽を聴いたりエアコンを使用し続けると、過放電によってバッテリーが上がってしまいます。特にアクセサリー電源で稼働しているオーディオ類は、エンジンを切った状態でも電源が繋がっています。
アクセサリー電源は、消費電力が大きいので、長時間使い続けると、バッテリーの寿命を縮める原因にもなります。車を停止して、オーディオやエアコンを使用する場合は、必ずエンジンをかけた状態にして下さい。
バッテリーの寿命
そもそもバッテリーが寿命の場合は、充電ができなくなるので、エンジンがかからなくなります。バッテリーの寿命は、3年~5年程度と言われています。
また、最近の車には「アイドリングストップ機能」が搭載されていますが、頻繁にエンジンの始動を繰り返すため、通常の車と比べてバッテリーの負担が大きく、寿命も短くなります。
アイドリングストップ非搭載車は「3年~5年」、アイドリングストップ搭載車は「2年~5年」が、バッテリーの寿命と言われています。
バッテリーは、車を動かすために必要不可欠な部品ですから、定期的なメンテナンスが大切です。
【原因③】機械的な故障?
これまで紹介した原因の他に、機械的な故障によって、エンジンがかからなくなることがあります。ここでは、機械的な故障について、紹介していきます。
電気系の配線不良
車には、多くの電子機器がありますが、1つでも断線したり不具合があると、車が動かないことがあります。例えば、エンジンを始動するときのスターターの故障や断線、バッテリーの配線不良などでも、エンジンはかかりません。
ショートする可能性があるので、素人は絶対に触らないようにして下さい。
ヒューズの破損
車には、何十種類ものヒューズがあります。ヒューズは、電気回路や繊細な電装部品に、過度な電流が流れることを防ぐ役割をしています。
エンジンに関わるヒューズが切れてしまうと、電気が流れず、エンジンがかかりません。ヒューズは、前席の足元上やエンジンルームに設置している場合が多く、自分でも容易に交換することができます。
セルモーターの故障
車のエンジンをかけるには、キーを回したりスタートボタンを押して、エンジンをかけますが、その時に作動するのが「セルモーター」です。
このセルモーターが壊れていると、電気が流れないため、エンジンがかかりません。エンジンを始動するときに「キュルキュル」と音が鳴らない場合は、セルモーターの故障が考えられます。
オルタネーターの故障
オルタネーターは、簡単に言うと「車で使う電気を生み出す部品」です。オルタネーターが故障すると、バッテリーに蓄えるための電気が作れないので、当然エンジンもかからなくなります。
オルタネーターは、車にとってどれだけ重要な部品であるのかが、ご理解頂けたと思います。
燃料ポンプの故障
燃料ポンプは、その名の通り、車を動かすための燃料をエンジンに送る部品です。燃料ポンプが壊れてしまうと、エンジンに燃料が送れなくなるため、エンジンがかからなくなります。
燃料ポンプは、静電気などで着火する恐れがある部品ですから、素人は絶対に触らないようにして下さい。
点火系の故障
燃料を燃やすことで車は動きますが、燃やすには火花を起こす必要があります。イグニッションコイルは、点火や発火を起こす点火装置のことで、これが壊れてしまうと火花が起こせません。
他にも、点火プラグやプラグコードも点火装置の一部ですが、それらの部品も壊れてしまうと火花が飛ばず、エンジンがかからなくなります。
点火系の故障の場合は、エンジンの吹けが悪くなったり、ノッキングの症状がでます。
また、エンジンチェックランプが点灯する場合もあるので、エンジン不調を察したときには、メーター内の警告灯にも注視して下さい。
【対処法】電気はつくのにエンジンがかからない?
電気はつくのにエンジンがかからない原因が分かったところで、その対処法について解説していきます。
【対処法①】ジャンピングをする
電気はつくのにエンジンがかからない原因として、最も多いのが「バッテリー上がり」です。キーやスタートボタンを押してもエンジンがかからない場合は、他の車を使ってエンジンをかける対処法があります。
主に「ジャンピング」という言い方をしますが、ブースターケーブルで車同士を繋ぎ、電気を流す対処法です。この対処法は、特殊な構造をしているハイブリッド車以外の車(12V車)であれば、誰にでも試すことができます。
ジャンピングする手順を紹介します。
- エンジンがかかる救援車を故障車に近づけて、エンジンを止めます。
- 2台ともボンネットを開けて、バッテリーのプラス(赤い端子)のカバーを外す(めくる)。
- バッテリーが上がった車のプラス端子に赤いケーブルを繋ぐ。
- 次に救援車のプラス端子に赤いケーブルを繋ぐ。
- 次に黒いケーブルを救援車のマイナス(黒い端子)に繋ぐ。
- 次に故障車のマイナスに黒い端子を繋ぐ。
- 救援車のエンジンをかけて、アクセルを空吹かしして、3分~5分ほど電気を送り続ける。
- 故障車のエンジンをかけてみる。
- エンジンが無事にかかったら、そのまま3分~5分ほどケーブルを繋いだままにする。
- 救援車のエンジンんを止める。
- 繋いだときの「反対の順番」で、ケーブルを外していく。
ジャンピングした後の注意点ですが、古すぎるバッテリーや弱まり過ぎているバッテリーは、エンジンがかかっても、すぐに止まってしまうかもしれません。
ジャンピングしてエンジンがかかった場合は、なるべく電気を使う機器(エアコンやオーディオ類)の電源はOFFにして走行して下さい。
例え、ジャンピングに成功しても、バッテリーが弱っていることには変わりませんから、速やかにガソリンスタンドや自動車販売店で、バッテリーの点検を行うようにして下さい。
【対処法②】バッテリーを充電する
バッテリーが上がった場合は、蓄電量が少なく、充電しないと再びエンジンがかからなくなります。また、バッテリーが上がらなくても、バッテリー液を補充した後などは、比重が下がってしまうので、充電する必要があります。
昼間に長時間走り続けることで、バッテリーに充電することも可能ですが、短時間走るだけでは充電量が不十分。
そこでおすすめするのが、自分でバッテリーの充電ができる「バッテリー充電器」で、家庭用の電源を使って、気軽に充電することができる器機です。
自動車部品量販店やネットショップなどで、購入することができます。
バッテリーを常にフル充電しておくことで、「電気はつくのにエンジンがかからない!」なんてことを、未然に防ぐことができます。
【対処法③】バッテリーを交換する
そもそも充電すらできない古いバッテリーは、新しいバッテリーと交換するしか対処法がありません。バッテリーの交換は、ターミナルを外せる工具があれば、誰でも交換することができます。
バッテリー交換手順を説明します。
- 新品バッテリーを用意する。
- 古いバッテリーのマイナス端子から黒いケーブルを外す。
- バッテリーを固定しているステー類
- 古いバッテリーのプラス端子から赤いケーブルを外す。
- 新品バッテリーを設置する。
- 新品バッテリーをステーで固定する。
- 新品バッテリーのプラス端子に赤いケーブルを接続する。
- 新品バッテリーのマイナス端子に黒いケーブルを接続する。
- エンジンをかけて始動確認をする。
バッテリー交換を自分で行う場合の注意点は、必ずマイナス端子から外すことです。もし、逆から外してしまうと、工具などが車に接触したときに、ショートして火災の原因になります。
また、バッテリーを傾けてしまうと、バッテリー液(希硫酸)がこぼれて塗装を痛めたり、火傷するので絶対に傾けてはいけません。
尚、最近の車はバッテリーを外してしまうと、アイドリングストップ機能やコネクト機能がリセットされてしまうので、新品バッテリーに交換した後は、各機能の再設定を行って下さい。
設定のやり方については、メーカーや車種によって異なるので、ディーラーや整備工場などにご確認下さい。
【対処法④】ロードサービスに連絡する
とにかく急いでいる場合や、自分で対処することができない人は、加入している任意保険のロードサービスや、JAFに連絡することをおすすめします。
契約している保険会社によって、ロードサービスの種類も違うので、各保険会社にお問い合わせ下さい。
【対処法⑤】修理する
電気はつくのに車のエンジンがかからない原因が、バッテリー以外の場合は、素人の手には負えません。
ロードサービスを利用しても、修理まではしてくないので、ディーラーや保険会社が指定する自動車販売店や整備工場に修理依頼をして下さい。
大抵の整備工場には、故障個所を調べる器機(OBD2診断機)を所有しているので、何が原因でエンジンがかからないのかを調べることができます。
その診断結果によって、プロの整備士に修理を任せる対処があります。
診断料金や作業工賃などがかかるため、自分で修理するよりも高額にはなってしまいますが、ピンポイントで修理ができるメリットがあるので、車に詳しくない人にはおすすめの対処法です。
電気はつくのにエンジンがかからない車の修理費用
電気はつくのに車のエンジンがかからないとき、心配なのは修理費用ですよね?
自分で修理できる人は、部品代だけで済みますが、ディーラーや整備工場に修理依頼をすれば、引き取り費用や作業工賃など、ちょっとした部品でも高額な修理費用が課せられます。
ここでは、電気はつくのにエンジンがかからない車の、一般的な修理費用を紹介していきます。
スマートキーの電池交換費用
スマートキーやインテリジェントキーの電池が切れても、エンジンはかかりません。自動車部品量販店やディーラーで、電池交換を依頼した場合は、下記の交換費用がかかります。
電池代 | 200円~500円 |
作業工賃 | 300円~500円 |
修理費用合計 | 500円~1,000円 |
バッテリーの充電費用
バッテリーを充電するのは、充電器がなければできません。ガソリンスタンドやディーラーなどにバッテリーの充電を依頼した場合は、下記の充電費用がかかります。
補充液 | 300円~500円 |
充電費用 | 2,000円~3,000円 |
修理費用合計 | 2,300円~3,500円 |
バッテリーの液体は、水と硫酸を混ぜた「希硫酸」でできていますが、液量が規定値を割り込むと充電不足に陥り、エンジンをかけるだけの力がなくなります。
バッテリーの充電器を持っている車屋がほとんどですから、ガソリンスタンドや自動車販売店でも、車を持ち込んで充電してもらって下さい。
バッテリーの液量は、「UPPEERレベル」ギリギリまで入っているのが理想です。バッテリー液が少ない場合は、充電費用とは別に請求されます。
尚、バッテリーの補充液は、少量であれば100円~200円程度、リッターサイズでも500円程度で購入することができます。
注意すべき点は、ガソリンスタンドや自動車販売店では、急速(30分~2時間程度)で充電することがほとんどです。しかし、急速充電はバッテリーへの負担が大きく、バッテリーの寿命を短くしてしまうデメリットがあります。
できることなら、長い時間をかけて普通充電(8時間~10時間程度)で、ゆっくりと充電することをおすすめします。
バッテリーの交換費用
バッテリーの寿命は、2年~5年前後ですが、車の使い方によって寿命は異なります。古いバッテリーは、バッテリー液が濁っていたり、中の電極が開いてしまっている物もあります。
そうなったバッテリーは、充電しても比重が戻らないので、新しいバッテリーに交換するしかありません。ガソリンスタンドやディーラーなどで、バッテリー交換を依頼した場合は、下記の費用がかかります。
バッテリー本体 | 5,000円~50,000円 |
作業工賃 | 500円~5,000円 |
バッテリー廃棄 | 無料~3,000円 |
交換費用合計 | 5,500円~58,000円 |
上記の金額は、あくまでも一般的な参考価格で、車種や性能によっては、50,000円以上するバッテリーもあります。
サイズが小さい軽自動車のバッテリーは、安い価格で販売されていますが、アイドリングストップ車専用バッテリーや高性能バッテリーは、数千円では買うことができません。
また、アイドリングストップ車やハイブリッド車は、交換後の設定などが含まれるため、最低でも3,000円以上の交換費用がかかります。
冬の気温が低い豪雪地帯に住んでいる人(寒冷地仕様)や、スポーツカー(高性能バッテリー)でない限りは、安い価格のバッテリーで十分です。
また、輸入車は特殊なバッテリーが多いので、急なバッテリー交換を要する場合は、在庫対応ができない販売店があるので、輸入車に乗っている人は注意して下さい。
ヒューズの交換費用
車には、たくさんのヒューズが使用されていますが、ヒューズがなければ過度な電流がながれて、機器類が壊れてしまいます。
故障を防ぐためにもヒューズの役割は重要で、エンジン始動に関わるヒューズが切れた場合は、車のエンジンがかからなくなります。
車に使用しているヒューズの種類は次の通りです。
- ブレード型:「平型」「ミニ平型」「低背型」の3種類があり、製造された年代によって異なります。
- 管型:主にオーディオなどの電装部品に使われている筒形のヒューズで、色々な長さの円柱があります。
電気はつくのに車のエンジンがかからない原因として、ヒューズが切れていることもよくあります。
エンジン始動に関係のあるヒューズは、ブレード型と呼ばれるもので、橙色「7.5A」、青色「15A」、黄色「20A」など、対応できる電力量が色分けされています。
セルモーターやスタータースイッチのヒューズが切れている場合は、電流が一切ながれなくなるため、キーやスタートボタンを押しても無音状態で、カチカチと言う音も発しません。
ただし、エアコンやオーディオなどのヒューズが切れた場合は、エンジン始動とは関係ないため、エンジンがかからない原因にはなりません。
ヒューズの交換を依頼した場合の、費用について紹介します。
ヒューズ(1個) | 50円~100円 |
作業工賃 | 無料~1,000円 |
ヒューズ交換費用合計 | 50円~1,100円 |
ブレード型のヒューズ交換は、基本的には無料で交換してくれる販売店がほとんどですが、交換する個数が多い場合は、交換費用が別途必要になります。
ヒューズ交換は、簡単に行える反面、ヒューズが切れる原因が他にあるはずです。ヒューズが頻繁に切れる場合には、早めに点検・整備を行うようにして下さい。
セルモーターの交換費用
セルモーターは電気を流す部品のため、壊れていると電気が流れず、エンジンがかかりません。
セルモーター本体が壊れているのか?
スイッチが壊れているのか?
配線が断線しているだけなのか?
その理由は、素人では見分けることが難しいので、自動車整備工場で調べる必要があります。セルモーターを交換する費用について解説していきます。
純正新品セルモーター | 30,000円~50,000円 |
社外新品セルモーター | 10,000円~30,000円 |
リビルトセルモーター | 10,000円~30,000円 |
中古セルモーター | 5,000円~10,000円 |
作業工賃 | 1,5000円~20,000円 |
セルモーター交換費用合計 | 2,0000円~70,000円 |
上記の金額は、あくまでも「純正品の新品」を使用した場合で、安いセルモーターを使えば交換費用を安くすることは可能!
純正品以外のセルモーターには、純正品を真似た新品「社外新品」、中古品をオーバーホールした再生品「リビルト品」、解体車などから取り外した「中古品」があります。
セルモーターの交換費用を安く抑えたい場合は、社外品やリビルト品でも構いませんが、中古品はいつ壊れるかが全く分かりません。
また、中古品は交換後の保証もないため、高い作業工賃を捨てることにもなりかねません。耐久性や信頼度では、純正新品がおすすめですが、輸入車などは純正新品が100,000円を超えるセルモーターもあります。
車種に関係なく、とりあえずセルモーターの交換費用を安く抑えた人は、保証がついている社外品やリビルト品でも十分です。
オルタネーターの交換費用
バッテリーが上がって、「新品バッテリーに交換したから、もう大丈夫!」と思っていませんか?また、「セルモーターを修理したから、心配ない!」と思っていませんか?
セルモーターが正常でも、オルタネーターが壊れてしまうと、バッテリーに蓄えるはずの電気が送れないため、例えエンジンがかかっても、しばらく走ると車は止まります。
それだけオルタネーターは、車にとって非常に重要な部品の1つで、寿命は10年または100,000kmと言われています。車の使い方や乗り方は千差万別ですから、一概に「まだ7年目だから大丈夫!」とは言えません。
オルタネーターの交換費用について解説していきます。
純正新品オルタネーター | 50,000円~100,000円 |
社外新品オルタネーター | 20,000円~ 80,000円 |
リビルトオルタネーター | 20,000円~ 80,000円 |
中古オルタネーター | 5,000円~ 20,000円 |
作業工賃 | 10,000円~ 20,000円 |
オルタネーター交換費用合計 | 15,000円~120,000円 |
オルタネーターもセルモーターと同じで、中古品を使えば15,000円程度で交換することができます。
ただし、電装部品が多い最近の車は、特にオルタネーターにかかる負担が大きいので、いつ壊れるか分からない中古品の使用はおすすめできません。
純正新品は、非常に高い部品ですから、信頼できるメーカーの社外新品か、完全にオーバーホールしたリビルト品(保証書付)の交換をおすすめします。
オルタネーターは、前兆なく壊れる部品ですから、バッテリーの比重が低い状態が続くようであれば、早めに点検するようにして下さい。
燃料ポンプの交換費用
燃料ポンプは、別名「フューエルポンプ」とも言いますが、ガソリンをエンジンに運ぶポンプのことです。
燃料ポンプが壊れてしまうと、燃料をエンジンに運べなくなるので、不完全燃焼が起こり「ノッキング現象」や「ポンプの音が大きくなる」などの症状が起こります。
必ずしもポンプの音が大きくなるとは限りませんが、アクセルを踏んでも以前のように前に進まない?など、走りに違和感を感じることがあります。
燃料ポンプの交換費用について解説します。
純正新品燃料ポンプ | 15,000円~50,000円 |
社外新品燃料ポンプ | 5,000円~30,000円 |
リビルト燃料ポンプ | 5,000円~30,000円 |
中古燃料ポンプ | 1,000円~10,000円 |
作業工賃 | 10,000円~35,000円 |
燃料ポンプ交換費用合計 | 11,000円~45,000円 |
燃料ポンプは、燃料タンクを降ろさないと交換できない車種や、簡単に交換できるタイプがあります。
簡単に交換できる燃料ポンプは、作業工賃も安く済みますが、タンクを降ろすような複雑なタイプの車種は、作業に時間と手間がかかるので、交換工賃が高くなります。
燃料ポンプは、車が動いている以上、動き続けている部品ですから、道路環境や車の利用状況によっても寿命はまちまちです。
燃料ポンプも消耗部品ですから、交換費用が安くても、中古品の使用は避けることをおすすめします。
イグニッションコイルの交換費用
車は燃料を爆発させて、そのエネルギーを利用して動きます。
燃料を爆発させるには、火をつける作業「点火装置」が必要です。
点火装置の代表的な部品は、「イグニッションコイル」で、これが壊れてしまうと電気が起こせないため、点火プラグ(スパークプラグ)で火花が飛ばせません。
イグニッションコイルの交換費用について解説します。
純正新品イグニッションコイル(1本) | 10,000円~15,000円 |
社外新品イグニッションコイル(1本) | 5,000円~10,000円 |
リビルトイグニッションコイル(1本) | 5,000円~10,000円 |
中古イグニッションコイル(1本) | 1,000円~5,000円 |
作業工賃(1本) | 1,000円~3,000円 |
イグニッションコイル交換費用合計 | 2,000円~20,000円 |
イグニッションコイルは、エンジンの気筒数(プラグの本数)によって、必要な数が決まっています。
上記の交換費用は、イグニッションコイル・1本の値段で、車種やエンジンの種類によって、必要なイグニッションコイルの本数が異なります。
最近では、プラグコードを使わないダイレクトイグニッションコイルを採用する車種も増えており、1本あたりの価格が高いイグニッションコイルもあります。
イグニッションコイルを交換するときには、点火プラグ(1本・1,000円前後)も一緒に交換することをおすすめします。
あったら便利なバッテリー関連グッズ
冬の早朝は特に気温が低く、バッテリーが上がってしまうと、なかなかエンジンがかかりません。
ここでは、電気はつくのに車のエンジンがかからない原因で、最も多い「バッテリー上がり」を自分で解決できる便利グッズを紹介します。
ブースターケーブル
ブースターケーブルがあれば、周辺の車にバッテリーの電力を分けてもらうことが可能!
自宅に他の車があれば、簡単にジャンピングできますし、ブースターケーブルを車載しておけば、外出先でも周りの人に救援をお願いすることもできます。
万が一のために、ブースターケーブルの購入をおすすめします。
三和自動車部品工業「CCAブースターケーブル」
ホームセンターや自動車カー量販店などで、一般的に売られているブースターケーブル。
24V車には使用不可ですが、一般的なガソリン車(12V)であれば、軽自動車~2,000ccクラスなら十分使用できます。
ただし、電流が50Aまでしか流せないため、バッテリーが上がった普通車を、軽自動車で救援した場合、エンジンがかかるまでにある程度の根気と時間が必要です。
購入しやすい価格ですから、万が一に備えて車載しておくにはおすすめです。
HA CONSULTING「業務用 極太 ブースターケーブル」
このブースターケーブルは、軽自動車から大型トラックまで、幅広い車種に使用できることが最大の魅力。
電流も「450A」のハイパワー!
価格は高くなりますが、このブースターケーブルさえあれば、ジャンピングも容易にできます。
ジャンプスターター
周り救援を頼む人が居ない場所でバッテリーが上がった場合、絶体絶命のピンチ!ですよね。そんなときにおすすめなのが、誰の助けも借りずに、車のエンジンがかけられる「ジャンプスターター」です。
大自工業「ポータブル電源スターター」
高額なジャンプスターターは、5万円以上しますが、大自工業のポータブル電源スターターは、ポータブル電源とジャンプスターターの2WAY仕様でも、12,000円ほどで購入できます。
このジャンプスターターの最大の魅力は、価格が安いだけではなく、キャンプや緊急時などの「非常用予備電源」としても使用できるところです。
これ1つあれば、バッテリー上がりも怖くない!
バッテリー充電器
バッテリーが上がって、例えエンジンがかかったとしても、バッテリーの充電不足は解消されません。エンジンを切らずに走り続ければ、多少の充電は可能ですが、期待するほどの効果を得ることはできません。
自宅の電源を使ってバッテリーの充電ができる「バッテリー充電器」を2つ紹介致します。
大自工業「全自動パルス充電器」
大自工業の「全自動パルス充電器」は、12V車のバイクや普通車まなら、家庭用のコンセントに差すだけで簡単に充電することが可能。
パルス充電のため、電極に付着しているサルフェーションを除去して、バッテリー本来の性能を復活させることができます。
また、この充電器には、バッテリー充電が初めての人でも、安心・安全に使用できるための機能が充実しています。
例えば、バッテリー接続時の火花が出ない仕様や、充電完了後に放置した場合でも、過充電を防ぐ「トリクルパルス充電」が搭載されています。
バッテリー充電が不安定な冬でも、安定した充電が行える「ウインター充電モード」も付いています。
また、バッテリーの診断ができるなど、非常にコンパクトで多機能にも関わらず、リーズナブルな価格ですから、一家に一台あれば頼もしいはずです。
大橋産業「BALSTAR CHARGER」
大橋産業の「BALSTAR CHARGER」は、12Vのガソリン車の他、アイドリングストップ車や大型トラックなど、電圧や車種を問わずバッテリーの充電が可能。
また、通常の充電器では充電ができない「密閉式(シールドまたはドライセル)バッテリー」の充電もできます。
バッテリーを車に搭載したまま充電できることや、車種を選ばずに充電できることも「BALSTAR CHARGER」の魅力。
まとめ
電気はつくのに車のエンジンがかからない原因について、徹底解説してきましたが、今回紹介した原因は、代表的な部品を一部取り上げただけです。
今回紹介した他にも、燃料ポンプから送られてきた燃料を噴射する「インジェクター」、送られた電気を各プラグに分配する「ディストリビューター」、エンジンに吸入した空気の量を調節する「スロットルボディー」など、電気はつくのにエンジンがかからない原因はいくつもあります。
最近では、ディストリビューターやプラグコードを持たない車もありますが、まだまだ旧型の構造を持った車が多く走っています。
電気はつくのにエンジンがかからない場合は、バッテリーの不具合を始めに疑ってから、「セルは回るか?」「カチカチ音がするのか?」「無音状態なのか?」「普段よりブレーキが固くないか?」など、1つずつ原因を探るようにして下さい。
バッテリーやヒューズ切れ以外が原因で、エンジンがかからない場合は、素人での判断は難しいので、速やかにJAFやディーラーなどに連絡することをおすすめします。