ホンダで新車を購入するには、通常の購入方法とは別で、楽らくまるごとプラン「楽まる」、残価設定型クレジット「残クレ」、バリュー保証プラン「バリ保」のサブスク3種類から、目的に応じてお好みのプランを選択することができます。
今回は、ホンダ・サブスクの中でも特に注目されている「楽まる」について、サービス内容からメリットやデメリットまで徹底解説していきます。
ホンダのサブスク「楽まる」とは?
ホンダには、中古車のサブスク(ホンダクレジット/Honda中古車限定 据置クレジット)と、新車のサブスク(楽まる/残クレ/バリ保)が用意されています。
サブスクの良いところは、様々なサービスが毎月の支払いに組み込まれていたり、残価設定をすることで毎月の支払いを抑えれるなど、月々の支払い管理や少ない予算で車が購入できる点です。
ホンダの新しいサブスク「楽まる」は、ホンダが提供する新車カーリース「楽らくまるごとプラン」の略称で、頭金を用意する必要がなく、「車両本体」「自動車税」「メンテナンス費用」「保険」などの購入費用や、購入後の維持費を毎月の支払に全て組み込めるサブスクサービスです。
楽まるの主なサービスについて、紹介していきます。
楽まるを契約するとき
楽まるは、契約終了時の残価(買取額)を契約時に設定をして、「新車購入価格-残価(買取額)=リース料金」を、お好みの期間で契約ができるサブスクプランです。
ただし、楽まるは個人向けサブスクサービスのため、個人事業主や法人契約ができません。
- 契約期間:3年/5年/7年から選択することができます。(軽貨物のみ4年/6年)
- 走行距離制限:1,000kmコース/1,500kmコースの2種類から選ぶことが可能。
- 契約対象:個人契約に限る。
楽まるは、契約期間のほかに、1ヵ月の走行距離制限(1,000kmまたは1,500km)を決めなければなりません。毎月の支払いを抑えたい人は、毎月のリース料が少ない7年契約で、走行距離制限の少ない1,000kmを選択することをおすすめします。
楽まるの契約期間中
楽まるを契約した場合、下記のサービスを受けることができます。
- メンテナンス費用の追加がない:作業工賃の他に消耗部品などを含めたフルメンテナンスサービス。
- 故障した際も無償で修理ができる:新車のメーカー保証終了後も同程度の保証継続が可能。
- 自動車保険もリース料に組み込める:自動車保険料も組み込んだ定額リース料金。
- 契約途中でも乗り換えができる:他の車に乗りたいと思ったらいつでも乗り換え可能。
楽まるのメンテナンスサービスは、契約期間によって以下のスケジュールで実施されます。
- 3年契約:6ヶ月/12ヶ月/18ヶ月/24ヶ月/30ヶ月
- 5年契約:6ヶ月/12ヶ月/18ヶ月/24ヶ月/30ヶ月/36ヶ月/42ヶ月/48ヶ月/54ヶ月
- 7年契約:6ヶ月/12ヶ月/18ヶ月/24ヶ月/30ヶ月/36ヶ月/42ヶ月/48ヶ月/54ヶ月/60ヶ月/66ヶ月/72ヶ月/78ヶ月
上記の通り、半年毎に定期点検を受けることができます。その際には、点検項目に従って作業が行われますが、万が一交換部品が発生しても追加料金は請求されません。
故障時には、最高60万円/回までの保証が付いていますし、新車メーカー保証の期限が切れても規定の走行距離内であれば、メーカー保証の延長が可能です。修理回数は無制限ですから、契約期間内であれば安心して乗ることができます。
自動車保険をリース料金に含んだ場合は、現在の等級を引き継げるほかに、事故を起こして保険を使ったときでも、契約期間内であれば保険料が上がる心配がなく、リース料金もそのままです。
ライフスタイルに変化が生じた場合には、契約期間中であっても中途解約金を精算することで、いつでも他車に乗り換えることもできます。
楽まるの契約が終了したとき
楽まるの契約が満了した後は、乗っていた車の処遇を選択することができます。ただし、契約期間によって選択肢が異なるので、下記を参考にして下さい。
- 3年契約:乗り換え/返却/買取
- 5年契約:乗り換え/返却/買取/延長(2年)
- 7年契約:乗り換え/返却/クルマをもらう
3年契約では、新しい車に乗り換える「乗り換え」、乗っていた車を返す「返却」、契約時に設定した残価で買い取りに出す「買取」の3種類から選択が可能です。
5年契約では、3年契約の選択肢に加えて、乗っている車で再度契約を行う「延長」も選ぶことができます。7年契約では、買取や延長の選択肢がない代わりに、そのまま車が貰える「クルマをもらう」の選択が可能です。
いずれ車が欲しい人は、最長の7年契約で締結することをおすすめします。
楽まるで車を返却するとき
一般的なカーリースで問題になっているのは、契約満了時の再査定による追加費用です。
新車時の車両状態を、契約満了まで維持することを求められるため、内外装の傷や汚れによって、追加費用が請求されることがあります。
また、車の状態に問題がなくても市場相場が著しく下がった場合には、残価の見直しが行われ、追加費用の請求が求められるケースもあります。
しかし、楽まるでは残価保証に加えて30万円までの免責が付くので、多少の傷や汚れがあっても追加費用の心配が無用です。ただし、契約時に設定した走行距離制限内であることが条件ですので、走行距離オーバーには気を付けて下さい。
楽まるの料金は?
楽まるの料金について、ホンダ・フリードを3年契約することを例に挙げて説明させて頂きます。
項目 | 内容 |
---|---|
車種名 | フリード |
グレード | HYBRID G |
駆動方式 | FF |
乗車定員 | 6名 |
契約期間 | 3年 |
走行距離条件 | 1,000km/月 |
新車車両価格 | 2,633,400円 |
残価設定 | 1,244,880円(3年後) |
リース支払総額 | 1,818,288円(3年後) |
毎月のリース料金 | 50,508円(36回) |
公式サイトにある「支払シミュレーション」を使って調べていましたが、楽まるでフリードを3年契約した場合のリース料金は「50,508円/月」です。
カーローン(実質年率3.5%)でフリードを購入した場合は、毎月52,146円の返済なので、楽まるを利用した方が「1,638円/月×36回=58,968円」お得ということになります。
楽まるの審査や契約の流れ
楽まるは、株式会社ホンダファイナンスのリース商品で、通常のカーローンと同様の審査が必要です。楽まるの審査や契約の流れを説明していきます。
- ホンダ販売店で「楽まる」の申し込みを行う。
- ホンダ車の中から希望する車種を選択する。
- ホンダファイナンスの審査を受ける。
- 審査合格後、契約手続きを行う。
- 車両の登録手続きを行う。
- 保険手続きを行う。
- 店舗にて納車。
楽まるは、他社のリース契約のようにWEBで完結することができません。楽まるを利用するには、必ずお近くのホンダ販売店で楽まるの申し込みを行います。
楽まるのメリット・デメリット
ホンダの新車サブスクは、他のメーカーよりもサービスを開始したのが遅く、知名度もそれほど高くありません。
ただ、他メーカーが抱えるデメリットを見直すことで、楽まるをより素晴らしいサブスクにすることができます。楽まるのメリットやデメリットについて紹介していきます。
メリット
楽まるには、以下のメリットがあります。
- 審査が通りやすい。
- 毎月の支払が少なくて済む。
- 契約期間・3年または5年の場合、30万円までの免責が付帯される。
- 7年契約は契約満了後、車がそのまま貰える。
- 貯えがない人でも頭金不要で楽まるの契約ができる。
- 新車メーカー保証の延長ができる。
- ボーナス併用が可能。
- 走行距離制限・1,000kmまたは1,500kmの2種類から選択できる。
残価を設定すると購入時の総額が少なくなるので、新車を購入するよりも審査に通りやすいメリットがあります。新車購入価格から残価(買取額)を引いた残金を分割払いするため、毎月の支払金額も安く抑えることができます。
大きな傷がついた場合でも、30万円以内の修理費用であれば免責範囲内のため、契約終了時の追加費用が発生しません。免責30万円は、他社にはない魅力的なサービスで、楽まる最大のメリットと言えます。
7年契約の場合は、契約終了後に車がそのまま貰えるため、走行距離制限や追加費用の制約がありません。
楽まるは、頭金不要で契約できるので、現金の貯えがなくても申し込みができます。3年または5年契約の場合、メーカー保証が切れても保証の延長ができます。
一般的なカーリースでは、毎月一定額の支払いのため、ボーナスの併用払いができません。しかし、楽まるではボーナス併用払いも可能ですから、より一層毎月のリース料金を抑えることができます。
走行距離の条件として、1,000km/月か1,500km/月のどちらかを選択することができます。毎月の支払いを最小限に抑えるなら1,000km/月がおすすめですが、毎日車に乗る人はリース料金が多少上がっても1,500km/月をおすすめします。
もし、走行距離制限を超えてしまった場合は、契約終了時に5円/km~10円/kmの追加料金が請求されるので注意して下さい。
デメリット
楽まるには、以下のデメリットがあります。
- WEBからの申し込みができない。
- JAFの会費はリース料金に組み込めない。
- ホンダ車しか契約できない。
- ホンダ車でも契約できない車種がある。
- 中途解約金が発生する。
- メンテナンスの内容変更はできない。
- 車両保険への加入が必須。
- 個人契約しかできない。
- 契約時の支払い金額を変更することはできない。
- 車検証の名義変更はできない。
楽まるは、店舗契約しかできないため、他社のカーリース会社のようにWEBで契約から納車まで完結することができません。そのため、楽まるを利用したい人は、ホンダ販売店の店舗に足を運ぶ必要があります。
車を安心して乗るため、JAFに加入している人もいると思いますが、楽まるのリース料金にJAFの会費は組み込めないので、毎月の支払いを簡素化することができません。
楽まるはホンダが運営しているカーリースなので、ホンダ以外の車種選択ができません。また、ホンダ車であってもNSXやアクティ・トラックなど、契約対象外の車種があるので、楽まるを利用する際には事前に対象車の確認をして下さい。
楽まるでは、契約期間中でも中途解約が可能ですが、解約金が発生するので無料ではありません。
楽まるでリース契約した場合には、自動車保険の車両保険に加入しなければいけません。年齢や等級によっては、保険料が高額になることもあるので、事前に保険料の試算をするようにして下さい。
他社のカーリースでは、個人事業主や法人登録ができるため、リース料金を経費として計上することができます。楽まるは、個人契約しかできないため、リース料金を経費で計上することができません。
ボーナス払いを多く払いたいなど、契約時の支払い内容を途中で変更することはできません。また、一括返済もできないため、契約満了までは車検証の所有者変更などもできません。
楽まるはとても便利なサービスですが、上記のようなデメリットがあるので、良く考えた上で契約するようにして下さい。
楽まるはこんな人におすすめのサブスク
楽まるがおすすめな人は、下記に該当する人です。
- ホンダ車が好きな人。
- 店舗に出向くのが苦じゃない人。
- 契約終了時の追加費用が心配な人。
- 年間の走行距離が、18,000km以内の人。
- カーリースでボーナス併用を使いたい人。
- リース期間中、メーカー保証を受け続けたい人。
先ほど、楽まるのメリットやデメリットを紹介しましたが、ホンダ車が好きな人には断然、楽まるがおすすめです。また、楽まるではボーナス併用払いができるので、毎月の支払いを最小限に抑えることが可能です。
楽まるには、30万円もの免責が付帯されているので、余程のことがない限りは契約満了時に追加費用が発生することはありません。毎月のリース料金を抑えつつ、余分な出費をしたくない人には、楽まるがおすすめです。
まとめ
ホンダのサブスク「楽まる」について、紹介してきましたが如何でしたか?
楽まるは、ホンダのサブスクの中でも充実したサービスが盛り込まれているので、無駄な出費をすることなく、契約期間中は安心して車に乗ることができます。
また、他社のカーリースはWEBで完結できるのに対して、楽まるは店舗に出向く必要がありますが、担当者と直接会話ができるメリットがあります。
毎月の支払いを極限まで抑えたい人は、契約終了後にそのまま車が貰える7年契約がおすすめですし、色々なホンダの新車に乗りたい人には、車検を受けずに新車を乗り換えていく3年契約がおすすめです。
返却時の免責30万円は非常に大きなサービス特典で、ディーラーが提供するサブスクの中でも安心感では楽まるがトップクラスです。ホンダ車が好きで、サブスクに興味がある人は、楽まるの利用を強くおすすめします。