トラックは、農作業などで使用する軽トラックから、輸送用コンテナを運ぶ大型トラックまで、様々な商売で使われている車です。
宅配荷物を運送業や、引っ越し業者が使用しているアルミ製の箱型トラックが、身近なところでは有名です。
トラックを新車で購入する場合、設備によっては数千万円を超えるトラックもあるので、買い替えるときには、高く買い取ってくれる業者選びが大切になります。
今回は、トラックの買取相場や高く売るためのポイントなどについて紹介していきます。
トラックの中古車市場動向について
ディーゼルエンジンが主流のトラックは、年々厳しくなる排ガス規制の影響によって、低年式の中古トラックの輸出が難しくなってきています。
また、追い打ちをかけるようにコロナ感染症が世界中で猛威を振るったことで、輸出業はもちろんですがトラックを使った商売は、現在でも厳しい状況が続いています。
特に低年式の中古トラックは、排ガス規制が厳しい欧米への輸出が難しく、国産トラックの需要の高い発展途上国を中心に輸出を行っています。
しかし、今後は世界中で排ガス規制が緩まることはないため、低年式の中古トラックの需要は激減することが予想されます。
日本では終息しつつあるコロナ感染症ですが、海外ではコロナが再流行しつつあるので、トラックの輸出は予断を許さない状況が続いています。
ただ、コロナ感染症が酷かった2020年と比べると、トラックの輸出も回復の兆しが見えてきていますので、引き続き中古トラックの動向に注目です。
項目 | 輸出台数 | 前年比 |
---|---|---|
小型トラック | 22,336台 | 188.71% |
中・大型トラック | 257,665台 | 156.34% |
合計 | 280,001台 | 158.51% |
日本自動車工業会(通称・JAMA)のトラック輸出統計では、2021年のトラック輸出台数が前年比の約159%増になっています。
日本製の中古トラックは、世界中から非常に高い評価を得ているため、コロナ感染症が終息すれば、発展途上国を中心に更に需要が拡大するはずです。
【種類別】トラックの買取相場について
トラックには、軽自動車ベースの「軽トラック」、1t~3tクラスの「小型トラック」、4t~8tクラスの「中型トラック」、11t以上クラスの「大型トラック」に分けることができます。
ただ、トラックはボディ形状や使用用途に合わせて荷台部分を改造している場合が多く、同じ年式の車種であっても買取相場が全く違います。
そのため、買取相場の予測が難しく、データだけでは参考にしずらい欠点があります。今回は、大手トラック買取専門業者が実際に買取を行った「実例」を元に、種類別の買取相場を紹介していきます。
中古軽トラックの買取相場
軽トラックとは、文字通り軽自動車を商用タイプに改造した車で、トラックの中では車両価格や維持費などが最も安く、最大積載量も350kg以下と定められています。
現在の軽トラックの主な車種は、スズキ「キャリィトラック」と、ダイハツ「ハイゼットトラック」で、この2車種が国内シェアを分け合っています。
中古の軽トラックでは、既に生産が終了しているホンダ「アクティトラック」や、スバル「サンバートラック」でも、高値で取引が行われるほど人気があります。
ユーカーパックで実際に買取を行った実例を少し紹介します。
項目 | キャリィトラック | ハイゼットトラック | アクティトラック |
---|---|---|---|
仕様 | 4WD | エクストラ/4WD | SDX/4WD |
年式 | 平成26年式 | 平成24年式 | 平成20年式 |
走行距離 | 2,074km | 29,727km | 219,223km |
買取価格 | 623,000円 | 420,000円 | 10,000円 |
軽トラックは、維持費が安く運転がしやすいことから、幅広い業種の方から高い支持を受けているトラックです。ただ、海外では自動車規格の関係から、公道を走ることが禁止されている国もあるため、海外よりも国内を中心に流通しています。
スバルやホンダが軽トラック事業から撤退するなど、決して安泰とは言えない車種ですが、狭い日本では需要が高いトラックです。
中古軽トラックの買取相場の特徴は、内装外装ともに荒れた車両が多いのですが、低年式車や過走行車であっても、買取相場がゼロ円になることが少ない、リセールバリューの高い車種です。また、4WDや荷台がダンプタイプに改良されている中古軽トラックなどは、通常よりも高値で買取が行われています。
中古小型トラックの買取相場
小型トラックは、最大積載量や車両総重量によって、普通免許では運転することができない車種も稀にありますが、ほとんどの車種は普通免許で運転することができる小型サイズのトラックです。
小型トラックの主な形状としては、荷台がフラットな「平ボディ」、アルミ製の箱を搭載した「アルミボディ」、断熱加工が施された「保冷車」、生鮮食品や冷凍食品を積載できる「冷凍冷蔵仕様」などの種類があります。
また、小型トラックの区分としては、保安基準やトラックメーカーが定める基準によっても異なりますが、ボディサイズ「全長4.7m以内/全幅1.7m以内/全高2.0m以内」、最大積載量「3t以内」、車両総重量「3t~5t以内」のトラックのことを言います。
中古小型トラックは、使う用途によっても色々な形状があり、買取価格もバラバラです。ここでは、エル・トラックで実際に買取された価格を実例とともに紹介します。
項目 | キャンターガッツ | ダイナ | タイタン |
---|---|---|---|
仕様 | 1.5t/平ボディ/4WD | 1t/平ボディ | 1t/Wキャブ/4WD |
年式 | 平成9年式 | 平成9年式 | 平成13年式 |
走行距離 | 89,500km | 42,000km | 88,200km |
買取価格 | 200,000円 | 300,000円 | 900,000円 |
中古の小型トラックは、通常の車と同じ感覚の買取相場で、走行距離が100,000kmを超えると、ガクッと買取価格が安くなる傾向にあります。
1t~2t車の流通が多く、年式よりも走行距離によって買取相場が大きく変動します。ディーゼル車の排ガス規制が将来的に強化されると、国内需要が主流の小型トラックは、買取相場が極端に下がる恐れがあります。
中古中型トラックの買取相場
中型トラックは、一般的に「4tトラック」と呼ばれることが多く、運送会社や引っ越し業者で最も多く利用されているトラックです。小型トラックに比べて、積載量が多いことや、ボディ形状の種類が豊富なことから、多くの業者で使われています。
中型トラックの主な形状としては、荷台がフラットな「平ボディ」、アルミ製の箱を搭載した「アルミボディ」、アルミボディの側面が開くタイプの「ウイングボディ」、幌タイプの「幌ウイング」、生鮮食品や冷凍食品を運搬できる「冷凍冷蔵仕様」など、様々な用途によって荷台が改良されています。
また、中型トラックの区分は、概ねボディサイズ「全長12m以内/全幅2.5m以内/全高3.8m以内」、最大積載量「4.5t~6.5t未満」、車両総重量「4t~11t未満」のトラックのことを言います。
中古中型トラックも、荷台の種類によって買取価格がバラバですが、エル・トラックの買取価格を実例とともに紹介します。
項目 | エルフ | ファイター | フォワード |
---|---|---|---|
仕様 | 4t/アームロール | 4t/ワイド/平ボディ | 4t/アルミウィング/ワイド |
年式 | 平成8年式 | 平成10年式 | 平成10年式 |
走行距離 | 37,300km | 160,000km | 163,000km |
買取価格 | 1,850,000円 | 900,000円 | 1,500,000円 |
中型トラックは、中距離運送で使われることも多く、低年式車や100,000kmを超えた車両であっても、大きく買取相場が下がることはありません。
それよりも荷台の装備や、車両の程度で買取相場が大きく変動するため、日常的に整備が行われていることが重要になります。
そのため、中古中型トラックでは、整備記録簿の有無によっても買取相場が大きく変わるため、整備記録簿の取り扱いには十分注意する必要があります。
中古大型トラックの買取相場
大型トラックは、一般的に「10tトラック」と呼ばれているサイズのトラックで、大型免許がなければ運転することができません。
そのため、死角が多く、普通に運転するだけでも危険が伴う車両のため、大型トラックのコクピットには、先進技術が随所に取り入れられています。
大型トラックも、他のタイプと同じ使われ方をしますが、鉄道輸送や船舶輸送に使うコンテナなどを牽引する車両として良く使われています。
大型トラックのサイズは特に決まりはなく、最大積載量「6.5t以上」、車両総重量「11t以上」が目安の数字になっています。
日本製の中古大型トラックは、海外でも人気が高く、買取価格も非常に大きな差があり、目安となる買取価格すらないのが実情です。ここでは一例として、エル・トラックの買取価格を実例として紹介します。
項目 | プロフィア | ギガ | プロフィア |
---|---|---|---|
仕様 | ダンプ | アルミウィング | アルミウィング |
年式 | 平成22年式 | 平成23年式 | 平成26年式 |
走行距離 | 170,523km | 152,600km | 615,246km |
買取価格 | 9,100,000万円 | 11,900,000円 | 5,500,000円 |
新車価格がスーパーカー並みに高額な大型トラックは、中古の需要が非常に高い車種です。特に日本製の中古大型トラックは、海外でも非常に人気が高く、国内よりも海外での需要が高い車種で、高値で買取が行われています。
日本製の中古大型トラックは、耐久性に優れていることから、低年式車や走行距離が500,000km超える車でも、買取査定には支障がありません。
トラックを高く売る方法やコツについて
トラックは過走行車であっても、車の程度が良ければ高く売ることができる特殊な車種です。普通の車と性能が変わらないエンジンを搭載している小型トラックは別として、機関類の耐久性が高い中型トラックや大型トラックは、低年式車や過走行車でも高く売ることができます。
トラックを高く売るコツとしては、定期的に整備を行っていることが大前提で、交換部品や整備箇所が明記されている「整備記録簿の付帯」が必須です。また、トラックは荒れた状態の車が多いので、買取査定に出す前にはしっかりと清掃することも大切です。
トラックを高く売る方法としては、「どこで売るのか?」によって、買取金額に大きな差が出ます。特に一般的な車買取店では、売ることができない中型トラックや大型トラックは、買取業者の選択を間違えるだけで、数百万円以上も損をする場合があります。
トラックを高く売るには、「高年式車」「低走行距離」が最も重要な査定ポイントになりますが、中大型トラックに関しては「整備記録簿の付帯」も重要になります。
トラックを売るときの注意点
トラックを売るときの注意点としては、普通の車を売るときと同じで「清掃」を行ってから買取査定に出して下さい。
軽トラックや小型トラックは、農作業や市場などで使っていた車も多く、泥まみれだったり、魚の臭いが染みついていたり、そのままでは買取ができない状態の車も良くあります。
中型トラックも同様で、ダンプなどは全体的に荒れた状態の車が多く、ボディや内装を綺麗にするだけでも買取査定がアップします。
大型トラックは、運転席の後部にある仮眠部屋?が付いている車がありますが、買取査定に出すときには、車内を綺麗にしておくことも査定評価を上げるコツです。
また、カスタムを行っているトラックの場合は、取り外した純正パーツが無いと査定が下がってしまいます。トラックを売るときには、整備手帳や純正パーツを紛失しないように注意して下さい。
トラックを売るときの買取業者の選び方
トラックを売るときは、買取業者選びに失敗すると、大きな損をする可能性が高くなります。トラックは輸出に出る可能性が高い車で、輸出販路が確立している買取業者を選ぶことが、高価買取のポイントになります。
そのため、買取業者を選ぶときには「複数のトラック買取業者で査定見積を取る」ことで、輸出販路を持っているかどうか、査定額で見極めることができます。
また、優良なトラック買取業者は、使用する用途によって輸出する国やバイヤーが異なるため、最低でも3社以上のトラック買取業者で、査定を行うようにして下さい。
トラックを売るときのおすすめ買取業者
先ほども説明しましたが、輸出販路を持っているトラック買取業者が、トラックを高く売るためには必須の条件です。ここでは、輸出販路を確立している「おすすめの買取業者」を紹介しますので、トラックを高く売るときの参考にして下さい。
ユーカーパック
項目 | 詳細 |
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運営会社 | UcarPAC株式会社 |
住所 | 東京都江戸川区中葛西3-33-11マルカビル6F |
公式サイト | https://ucarpac.com/ |
ユーカーパックは、業界初のオークション形式を採用した車買取査定サイトで、軽トラックや小型トラックを高く売るときに便利な買取サービスです。
ユーカーパックは、「出品時の査定は1回だけ」「登録済車の買取業者・8,000社以上」「やりとりはユーカーパックのみ」「全国どこでも査定ができる」など、たくさんの魅力が詰まっています。
その中でも特におすすめしたいサービスが、「やりとりはユーカーパックのみ」です。一般的な車一括査定サイトでは、ユーザーと買取業者が直接やりとりを行うため、査定依頼後の「しつこい営業電話」が問題になっています。
ユーカーパックでは、ユーザーの個人情報を買取業者に一切教えないため、買取業者からの電話やメールに悩まされることはありません。出品から入金までの買取業務をユーカーパックが全て代行するため、初めて利用する方でも安心して利用することができます。
ユーカーパックには、厳しい入会基準をクリアした約8,000社以上もの優良買取業者が、オークション形式で競い合うため、一般的な買取査定よりも高価買取の期待が持てます。
また、近くに買取業者のない地域でも、最寄りの査定提携業者が査定を行うので、住んでいる地域に関係なく、どなたでも気軽に登録することができます。軽トラックや小型トラックの買取を考えている方は、高価買取に定評がある「ユーカーパック」をおすすめします。
ランクス
項目 | 詳細 |
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運営会社 | 株式会社ランクス |
住所 | 東京都世田谷区奥沢3-5-6棚橋6号館1F |
公式サイト | https://chuko-truck.com/ |
ランクスは、2004年創業の輸出販路を持っているトラック専門の買取業者です。ランクスには、国産トラックの需要が高いアフリカに専門スタッフが常駐しているため、現地語による交渉ができる点が強みです。
発展途上国を中心に、現地で直接交渉ができる利点を生かして、現地で求められているトラックを優先的に高価買取を行っています。
このような背景から、同業者やディーラーからも買取依頼がくるほど、トラックの買取では定評のある買取業者です。また、ランクスの顧客満足度は95.8%を誇り、代行手数料・名義変更・抹消手続きが全て無料なのも魅力の一つです。
トラック王国
項目 | 詳細 |
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運営会社 | Nentrys株式会社 |
住所 | 東京都渋谷区笹塚1-48-3笹塚太陽ビル4F |
公式サイト | https://www.55truck.com/ |
トラック王国は、国内No.1のシェアを持つマーケティングリサーチ企業・マクロミルが行った顧客満足度調査において、90.3%の好感度を獲得したトラック専門の買取業者です。
トラック王国では、査定士の資格を持ったプロのスタッフが、加点方式の査定方法を用いて、お客様の想像を超える高額査定を実現しています。
また、全国に展開している自社展示場で販売するのか?それとも海外向けに輸出に出すのか?査定時にその都度、販路を選択するシステムをとっています。
廃車寸前の車を査定する場合は、各パーツの価値で査定を行うため、不動車や事故現状車であっても高価買取を実現することができます。トラックを何処で売ろうか迷っている方は、一度トラック王国に相談することをおすすめします。
トラックファイブ
項目 | 詳細 |
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運営会社 | 株式会社イデア |
住所 | 兵庫県尼崎市東園田町6-88-1 |
公式サイト | https://www.truck-five.com/ |
トラックファイブは、全国7地域に拠点を構えるトラック専門の買取業者で、買取を行ったトラックを自社で直接販売するため、高価買取を容易に行うことができます。
業界No.1の高価買取とともに、60万台以上の査定実績を誇るトラックファイブは、過走行車や低年式車はもちろんですが、強い輸出販路が持っているため、修復歴車であっても高値で買い取ることができます。
トラックで高価買取を狙いたい方は、迅速な対応を可能にする「社内オペレーションシステム」が構築されているトラックファイブをおすすめします。
トラッカーズオークション
項目 | 詳細 |
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運営会社 | 株式会社Azoop |
住所 | 東京都世田谷区上馬2-25-4フレックス三軒茶屋3F |
公式サイト | https://market.trck.jp/lp/lp1 |
トラッカーズオークションは、その名の通りトラック専門の買取オークションサイトで、トラックを売りたい方は、査定を受けるだけでトラッカーズオークションに出品することができます。」
トラッカーズオークションの特徴は、ユーカーパックと同じで出品などの買取業務を全て代行してくれるため、買取業者からのしつこい営業電話の心配をする必要がありません。
また、利用する料金や出品料・成約料が全て無料のため、初めての方でも気軽に愛車を売ることができます。トラッカーズオークションでは、最高値の金額に納得された場合にのみ、売買が成立する仕組みになっています。
まとめ
トラックの買取相場や高額査定のポイントについて紹介してきましたが、トラックは一般の車と異なり、愛車の相場を把握することが難しい特殊な車種です。
国内で需要がないトラックでも、仕様によっては海外で需要が高いトラックもあるので、海外に強い輸出ルートを持っている買取業者で査定を行うことが高価買取への近道です。
日本製のトラックは、海外で絶大な人気を誇っているため、輸入トラックの倍以上の価格で売れることも珍しくありません。トラック専門の買取業者はあまり多くないため、今回紹介した「トラックを売るときのおすすめ買取業者」を参考にして頂き、高額査定を狙って下さい。