軽電気自動車の価格・維持費は安い?購入するメリット・デメリットや注目車種3選を紹介!

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日本で販売されている新車の約40%は、軽自動車が占めています。しかし、新車の電気自動車と言えば普通車ばかりが取りざたされ、軽自動車の電気自動車は1台も販売されていません。

世界中の自動車メーカーが電気自動車の開発に取り組む中、なぜ軽自動車の電気自動車は販売されていないのか?今回は、軽自動車の電気自動車について、メリットやデメリットを踏まえながら注目車種3選を紹介していきます。

目次

日本における軽電気自動車について

2022年6月の時点で、軽電気自動車はの新車は販売されていません。代表的な軽電気自動車と言えば、2010年~2021年まで販売されていた「三菱i-MiEV」が記憶に新しいと思います。

i-MiEVは、世界で初めて一般向け量産に成功した電気自動車で、軽電気自動車の先駆けと言われています。

ひろし

軽電気自動車はi-MiEVの印象が強いのですが、実は今から50年以上前から軽電気自動車が販売されていたのをご存じでしょうか?

1967年にダイハツがハイゼットカーゴの電気自動車を発売しており、1970年に開催された大阪万博でも電気自動車を納入しています。

その後も改良を重ねながら様々なモデルを投入していますが、電気自動車の開発を主な目的としているため、一般向けではなく官公庁や法人を中心にテスト販売している形をとっています。

また、「最高時速・約100km/h」「航続可能距離・約100km」しか走れないことに加えて、「車両価格・約300万円」することから、一般向けの量産までには至っていません。

i-MiEVの販売台数が伸び悩んだ理由も、「充電時間が長い」「走行できる距離が短い」「車両価格が高額」のため、受け入れられなかったと言われています。

軽自動車を購入するユーザーの多くは、「車両価格が安い」や「維持費が安い」が乗り換える理由のため、ガソリン車と購入価格が変わらなければ、軽電気自動車の需要は一気に高まるはずです。

発売決定!注目の軽電気自動車3選

大手自動車メーカーがカーボンニュートラルを掲げる中で、国内自動車産業の中心とも言える軽自動車にも、電気自動車のスポットが当たり始めています。

世界でもトップクラスの技術力を誇る日本ですが、電気自動車の普及率は1%にも満たない状況です。

三菱はi-MiEVで得たデータを元に、「車両の低価格化」「バッテリーのコスト/耐久性/容量」の技術開発を進めて、いよいよ2022年夏にOEMを提供している日産と共に軽電気自動車を発売します。

ひろし

そこでここでは2022年に発売が決定している注目の軽電気自動車3選を紹介していきます。

三菱 ekクロスX EV

三菱ekクロスX EVには、以下の特徴があります。

三菱 ekクロスX EVの特徴
  • クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金(55万円)が受けられる。
  • 「5/20~発売前日」までに先行注文をした方に限り、指定されたオプションパーツから1つだけ貰える。
  • 自宅で充電ができる。
  • フル充電(約600円)で、約180km走行が可能。
  • ボタン1つで自動駐車ができる。
  • 二酸化炭素の排出量がない。

軽自動車の電気自動車で、最大の欠点となっている「高額な車両価格」ですが、国からの補助金を受けることで、最も安いプランであれば「約184万」で購入することができます。

200万円を切る価格で電気自動車が買えるならば、価格による抵抗がかなり軽減されます。また、スマートフォン同様に自宅で簡単に充電ができる軽電気自動車は、ガソリンスタンドに行く手間も省けることから、軽自動車の革命となる可能性を秘めています。

恐らくekクロスX EVが発売されることによって、軽電気自動車の普及率は一気に加速して行くことでしょう。発売時期については、OEMの日産と共に2022年夏頃とされています。

参考

三菱 ミニキャブ・ミーブ

ミニキャブ・ミーブは、i-MiEVの技術を用いた商用車で、2011年から2021年まで販売されていました。バッテリー容量は16kWhで、4シーターと2シーターの2タイプが用意されています。

航続可能距離は約150kmで、2WDの設定しかありませんが、静粛性に優れているため、早朝や夜間の配送業務に適しています。そのため、一般向けではなく、郵便局や配送業者を中心に活用されている軽電気自動車です。

現在は販売中止になっていますが、性能の変更はなく車両価格だけを見直す形で、2022年秋頃に再販される予定になっています。

これまで運送会社を中心に販売されていましたが、大幅に価格が下がることがあれば、利便性からアウトドアに適しているので、一般向けの需要も見込めます。

参考

広西汽車集 G050

大手物流会社の佐川急便が、2020年に設立したベンチャー企業「ASF」と共同開発を行い、2030年までに現在使用している軽自動車の配達車両を全て軽電気自動車に移行することが発表されました。

ここで疑問なのは、なぜ佐川急便ほどの大手企業が、既存の自動車メーカーと提携しなかったのか?気になる方は多いのではないでしょうか?

その理由は至ってシンプルで、日本の自動車メーカーに依頼すると車両だけでもかなりの費用が掛かるため、iPhoneでお馴染みのアップル社や、大手ゲーム会社の任天堂が採用している生産方式「ファブレス」を導入するからです。

ファブレスとは、自社に生産工場を持たずに生産を中国の自動車メーカーに委託する方式で、設計などはベンチャー企業のASFが全て行う仕組みのことです。

こうすることで、車両に掛かるコストやメンテナンス費用を大きく削減することができるため、低予算で軽自動車の配達車両を全て入れ替えることができる算段です。

導入する広西汽車集のG050が、いくらなのかは分かりませんが、日本経済新聞の記事によれば、国内で販売されている軽自動車よりは安い価格との事です。

日本の自動車メーカーでは、150万円を切る軽電気自動車の販売は不可能ですから、佐川急便が導入することで、一般向けの中国製軽電気自動車が流通する日が来るかもしれません。

項目概要
メーカー中国 広西汽車集
車種名G050
種類軽電気自動車
サイズ全長3,395mm/全幅1,475mm/全高1,950mm
乗車定員2名
モーター30kW以下(日本電産製)
最高速度約100km/h
航続距離200km以上
最大積載量350kg
車両価格150万円以下

軽電気自動車とガソリンで走る軽自動車の違いは?

軽電気自動車とガソリンで走る軽自動車の違いについて、ガソリンを使用するハイブリッド車「ekクロスX」と、2022年夏に発売が開始される「ekクロスX EV」で比較していきます。

スクロールできます
項目ekクロスXekクロスX EV
車両サイズ3,395mm/1,475mm/1,640mm3,395mm/1,475mm/1,655mm
室内サイズ2,065mm/1,340mm/1,270mm2,065mm/1,340mm/1,270mm
ホイールベース2,495mm2,495mm
車両重量850kg~870kg1,060kg~1,080kg
駆動方式2WD2WD
最低地上高155mm145mm
動力エンジン+モーターモーター
燃料ガソリン+電気電気(100%)
燃費(WLTCモード)19.2km/L~21.2km/L124Wh/km
新車車両価格1,463,000円~1,688,500円2,398,000円~2,932,600円
自動車税(新車購入時)なし (2年目25%減税)8,100円 (3年目以降)10,800円(新車購入時)なし (2年目以降)10,800円
環境性能割なしなし
自動車重量税7,500円(25%減税)100%減税
補助金なし550,000円
年間の燃料代/電気代80,189円~88,542円33,333円
参考:三菱自動車公式サイト

※年間走行距離「10,000km」で算出。
※ekクロスXは、ガソリン代「170円/L」、燃費「km/h」で計算。
※ekクロスX EVは、フル充電で電気代「600円」、1回の充電で「180km」走行可能で計算。

車格が同じ三菱ekクロス(2WD)で、様々な角度からガソリン車と電気自動車を比較してみました。

サイズ的にはほぼ同じですが、電気自動車のekクロスX EVは、大容量バッテリーを搭載しているためか、車両重量が210kgも重たいことが分かりました。

新車の車両価格は、電気自動車がガソリン車(HV車)よりも「935,000円~1,244,100円」も高く、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の550,000円を差し引いても「385,000円~694,100円」高くなります。

ekクロスX EVは、年間の維持費(電気代)が50,000円ほど安いのですが、トータル的には電気自動車の割高感は否めません。

維持費が安いとは言え、ekクロスX EVを購入した場合には、最低でも5年以上は所有し続けなければ、割安感を得ることはできません。

軽電気自動車のメリット・デメリットについて

軽自動車にも、本格的に電気自動車導入の波が押し寄せてきています。

2022年夏には、日産と三菱から軽電気自動車を発売することが決定していますが、本当に軽電気自動車を購入しても良いのか?ここでは、軽電気自動車のメリットやデメリットについて紹介させて頂きます。

軽電気自動車のデメリット

  • 遠出をする際には、充電スポットの確認が必要。
  • バッテリーの充電が無くなると動かなくなる。
  • 充電時間が長い。
  • 充電中は、車の使用ができない。
  • インフラ整備が不十分。
  • 車両価格が高い。
  • バッテリーが劣化した場合、交換費用が高額。
  • 自宅に充電設備がない場合は、設備工事が別途必要。
  • 半導体などの部品供給が困難なため、納期が不安定である。
  • 長距離ドライブには不向き。

軽電気自動車のメリット

  • 国からクリーンエネルギー自動車導入促進補助金が受けられる。
  • 自宅で充電できるため、ガソリンスタンドに通う必要がない。
  • 燃料代(電気代)を大幅に節約することができる。
  • 話題性のある最新技術の軽自動車に乗ることができる。
  • 環境に優しい。
  • 静粛性に優れている。

軽自動車を購入するユーザーの大半が、「安く車を買いたい」「維持費を抑えたい」と言う方がほとんどです。「環境に優しいから、値段が高くても軽電気自動車が欲しい」と言う方は、実際どれくらいいるでしょうか。

恐らく、どのような理由であっても、高額な車両価格では、ほとんどの方は手を出さないのではないでしょうか。軽電気自動車の普及率を上げるには、現在販売されている軽自動車と同等の価格に近付けることが、最優先の課題なのは言うまでもありません。

軽電気自動車の選び方と注意点

軽電気自動車を選ぶポイントや注意点について、説明していきます。

軽電気自動車を選ぶ際のポイント・注意点
  • 電費性能が良い。
  • バッテリー容量が大きい。
  • リチウムイオンバッテリー搭載車を選ぶ。
  • 家庭用電源で充電ができる。
  • ハイブリッド車と同等な価格。
  • 航続可能距離が長い。

電気自動車のバッテリーには、「鉛」「ニッカド電池」「ニッケル水素」「リチウムイオン」の4種類があります。

軽電気自動車は、車体が最も小さな軽自動車がベースになっているので、搭載できるバッテリーサイズも限られていますから、コンパクトサイズで容量が大きなバッテリーが求められます。

コンパクトサイズにも関わらず、大容量が可能なリチウムイオンバッテリーを使用しているハイブリッド車や電気自動車がほとんどで、航続可能距離を延ばすためにはリチウムイオンバッテリーは欠かせません。

軽電気自動車を選ぶ上では、大容量のリチウムイオンバッテリー搭載モデルを選ぶようにして下さい。尚、リチウムイオンバッテリーと比べて、安価なニッケル水素バッテリーを使用している軽電気自動車は、「電費」「耐久性」「軽量化」「航続可能距離」などが大きく劣るため、あまりおすすめできません。

どのような人に軽電気自動車はおすすめ?

電気自動車は、一般的なガソリン車と違ってバッテリー容量や劣化の具合によって、走れる距離が異なります。そのため、使う用途によっては電気自動車が向いていない人もいます。

ここでは、軽電気自動車に向いているのはどのような人なのか?分かりやすく説明していきます。

軽電気自動車がおすすめな人
  • セカンドカーとして使用する方。
  • 電気自動車に興味がある方。
  • 維持費を節約したい方。
  • 長距離運転をしない方。
  • 緊急時の電気供給車として利用したい方。
  • 自宅に充電設備が整っている方。

電気自動車は、スマートフォンと同じ仕組みで、バッテリーの充電が無くなった途端、電源が切れてエンジン始動ができなくなります。

また、ガソリンスタンドのようにインフラ整備が整っていないため、運転中は常にバッテリーの充電を気にしなければなりません。

軽電気自動車は遠出には向いていないので、長距離ドライブが可能な車も所有している人には向いています。軽電気自動車のもう1つの使い方としては、災害で停電した際には車から自宅へ電気を送電することができます。

また、軽電気自動車自体を電源として利用することも可能ですから、電気が復旧するまでの間などでも避難場所として使用することができます。只単に車として利用するだけではなく、色々な使い方をしたい人に軽電気自動車は向いています。

まとめ

現在の法律では、自動車税は排気量によって細かく分かれていますが、電気自動車には排気量が存在しないため、現在の法律では曖昧になる可能性があります。

今後、電気自動車が爆発的に普及した場合には、バッテリー容量によって自動車税が決められても不思議ではありません。今回の記事でも説明しましたが、軽電気自動車は「車両価格が高い」と言うデメリットがあります。

軽電気自動車をガソリン車並みに安くするには、人件費の安い海外生産に特化するか、バッテリーに使用している半導体の供給を安定させるほかありません。

2022年6月現在では、新車の軽電気自動車は販売されていませんが、三菱と日産が2022年夏に発売するほか、スズキも2025年までには軽電気自動車を販売する予定になっています。

また、ダイハツやホンダも軽電気自動車の投入計画があるので、今後3年以内には軽電気自動車が急激に普及することは間違いありません。

中古の軽電気自動車も流通していますが、バッテリー性能が大きく劣ることを考えますと、国からの補助金が用意されているので、購入するなら維持費が安い新車の軽電気自動車をおすすめします。

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この記事を書いた人

アラサーの会社員で車やバイクが大好きです。趣味は愛車の洗車やドライブをすることです。自身の車を購入・売却の経験やメンテナンスの知識が誰かの役になれば良いな、と思いましてクルマバイバイの運営を開始しました。車のことで困ったことがあれば当サイトを参考にして頂けると嬉しいです。

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