女性やご年配の方から高い支持を受けているコンパクトカーですが、特に注目を浴びているのが多人数で移動できる「7人・6人乗りコンパクトカー」です。
一般的なコンパクトカーが5人乗りに対して、7人・6人乗りのコンパクトカーは、3列目のシートを備えています。普段使わないときには、3列目シートを折りたたむことができるので、使用する用途によって使い分けることができます。
今回は、7人・6人乗りコンパクトカーを中古で購入するときの、選び方や注意点をおすすめの車種と合わせて紹介していきます。
7人・6人乗りコンパクトカーのメリット・デメリットは?
7人乗りコンパクトカーは、一般的なコンパクトカーにシートを1列加えた「2・3・2」の配列が多く、6人乗りコンパクトカーは「2・2・2」が一般的なシート配列です。
7人乗りコンパクトカーの2列目シートは、ベンチタイプの「ベンチシート」が多く、6人乗りコンパクトカーの2列目シートは、左右が独立している「キャプテンシート」が採用されています。
7人・6人乗りコンパクトカーのメリットとデメリットを、5人乗りコンパクトカーと比較して紹介していきます。
5人・6人・7人乗りコンパクトカーを比較してみた!
コンパクトカーを選ぶうえで、5人~7人乗りの車種でどのような違いがあるのか気になりませんか?ここでは5人乗り・6人乗り・7人乗りの設定がある「ホンダ・フリード」のガソリン車で比較していきます。
項目 | FREED+(5人乗り) | FREED(6人乗り) | FREED(7人乗り) |
---|---|---|---|
グレード | G Honda SENSING | G Honda SENSING | G Honda SENSING |
新車車両本体価格 | 2,182,400円(税込) | 2,160,400円(税込) | 2,182,400円(税込) |
全長 | 4.295m | 4.265m | 4.265m |
全幅 | 1.695m | 1.695m | 1.695m |
全高 | 1.710m | 1.710m | 1.710m |
ホイールベース | 2.740m | 2.740m | 2.740m |
最低地上高 | 0.135m | 0.135m | 0.135m |
室内長さ | 2.310m | 3.045m | 3.045m |
室内幅 | 1.455m | 1.455m | 1.455m |
室内高さ | 1.285m | 1.285m | 1.285m |
排気量 | 1.496L | 1.496L | 1.496L |
エンジン | 水冷直列4気筒DOHC | 水冷直列4気筒DOHC | 水冷直列4気筒DOHC |
最高出力 | 129ps/6,600rpm | 129ps/6,600rpm | 129ps/6,600rpm |
駆動方式 | FF | FF | FF |
車両重量 | 1,360kg | 1,350kg | 1,360kg |
燃料消費率 | 19.0km/L(WLTCモード) | 19.0km/L(WLTCモード) | 19.0km/L(WLTCモード) |
安全性能 | Honda SENSING | Honda SENSING | Honda SENSING |
ホンダ・フリードのガソリン車で比較しましたが、5人乗りの全長が若干長い以外は、ボディサイズに大きな違いはありません。
しかし、6人乗り・7人乗りのフリードは、5人乗りのフリードプラスよりも室内長さが「73.5cm」も長いため、居住性では6人乗り・7人乗りが5人乗りを圧倒しています。
6人乗り・7人乗りは、5人乗りよりもシートの数が増えることで、車両重量が重たくなるはずですが、公式サイトの諸元表では6人乗りが10kg軽い数値になっていました。
3種類とも車両重量が変わらないことから、燃費性能に関しては同じ数値が出ています。また、新車車両本体価格もほぼ変わらない金額のため、金額差を気にすることなく好みのタイプを選ぶことができます。
6人乗りコンパクトカーのメリット・デメリットについて
6人乗りコンパクトカーのメリットとしては、2列目シートが左右独立したキャプテンシートを採用しているため、「大人4人+子供1人」なら長距離ドライブでも快適に過ごすことができます。
2列目シートの間を上手に利用することで、キャプテンシートを倒すことなく26インチくらいの自転車であれば、ハンドルを曲げなくても積み込むことが可能です。
一方、6人乗りコンパクトカーのデメリットは、キャプテンシートの凹凸が邪魔をして、フルフラットにならないことや、シートの間がウォークスルーになっているので、車中泊には向いていません。また2列目シートの居住性を重視しているため、3列目シートが極端に狭い車種もあります。
6人乗りの設定があるコンパクトカーは、種類が極端に少ないため、車種の選択肢が限られることもデメリットといえるでしょう。
7人乗りコンパクトカーのメリット・デメリットについて
7人乗りコンパクトカーのメリットは、小さなボディにも関わらず、最大で7人が乗車できることです。
7人乗りコンパクトカーのもう一つのメリットは、シートアレンジが豊富なため、色々な用途に対して室内空間を自由に変えることができます。そのため6人乗りコンパクトカーでは厳しかった車中泊も、7人乗りコンパクトカーなら十分に楽しむことができます。
一方で7人乗りコンパクトカーのデメリットは、乗車定員MAXの7人が乗車した場合、荷物を載せるスペースがほとんどなくなることです。同じ7人乗りでもワンランク上のミディアムミニバンと比べて、小排気量でパワー的にも非力なため、7人乗車での長距離移動は走行性能や燃費性能が著しく低下するため、あまりおすすめできません。
このように7人・6人乗りコンパクトカーには、それぞれメリット・デメリットが存在しますが、コンパクトカーで大人数が乗れることは最大のメリットです。最近のコンパクトカーは、最先端の安全支援システムを標準装備している車種も多く、安全面でも高級車に引けを取らない高い性能を備えています。
3列シートのコンパクトカーはこんな方に向いている!
一般的なコンパクトカーは、ハッチバックタイプのボディ形状がほとんどです。そのため、室内の高さが低く、室内空間は軽ハイトワゴンよりも狭く感じるはずです。
それに対して7人・6人乗りコンパクトカーは、ミニバンタイプかSUVタイプが多いため、室内の天井が高く、ボディ自体が大きく感じます。
では、どのような方に7人・6人乗りコンパクトカーが向いているのか?それぞれ紹介していきます。
6人乗りコンパクトカーが向いている方
一般的なコンパクトカーの後部座席は、セダンタイプと同じ3人座りのシート形状ですが、6人乗りコンパクトカーの後部座席は、前席と似た形状のキャプテンシートになっているため、長距離ドライブでも疲れにくい設計になっています。
シートを倒さず2列目シートの間を通って3列目シートに乗車することもできます。
3人~4人の乗車がメインで使用する方は、3列目シートを折りたたむことで、通常のコンパクトカーよりも、たくさんの荷物を積むことができます。6人乗りコンパクトカーは、下記の方に向いています。
- 3人~4人乗車で使うことが多い方。
- 長距離ドライブやアウトドアが好きな方。
- たくさんの荷物を載せることが多い方。
- 室内の広さに拘る方。
- チャイルドシートやジュニアシートを設置する方。
- 乗降がしやすい車を求めている方。
- 車種に拘りのない方。
6人乗りの設定があるコンパクトカーは少ないため、車種の選択肢が狭いことが難点です。
7人乗りコンパクトカーが向いている方
7人乗りコンパクトカーは、小さなボディでもいざと言うときには、7人も乗せることができるので、子供が多い家庭や二世帯で動くことが多い方には非常に便利な車種です。7人乗りコンパクトカーは、下記の方に向いています。
- 5人以上が乗車することの多い方。
- 趣味やアウトドアで使うことが多い方。
- シートアレンジが豊富なコンパクトカーを求めている方。
- 車中泊をする方。
- コンパクトなミニバンを求めている方。
- 2列目シートがベンチシートに拘る方。
7人乗りコンパクトカーは、6人乗りコンパクトカーと比べて登録台数が豊富なため、中古車を購入する際でも選択肢が多いという利点があります。
7人・6人乗りコンパクトカーを中古で購入する際の選び方や注意点
7人・6人乗りコンパクトカーを中古で購入する際には、使用する用途によって選ぶと良いでしょう。
例えば、小さな子供がいる方は、オムツなどの荷物を置くのに3列目シートがあった方が便利ですから、5人乗りコンパクトカーよりは6人乗りや7人乗りのコンパクトカーを選ぶことをおすすめします。
二世帯住宅などで、車2台で移動することが多い方は、6人乗りよりも7人乗りの方が車1台で済むことがありますし、人をたくさん乗せるよりも大きな荷物を載せることが多い方には、室内を広く使うことができる6人乗りを選んで下さい。
また、7人・6人乗りのどちらにも言えることですが、子供を抱っこしたまま乗り降りする場合や、高齢の方を乗せるときなどは、狭い空間でもリヤドアを全開にすることができる「スライドドア」を備えたコンパクトカーを選ぶと便利です。両手が塞がっていても、スライドドアやリヤハッチを自動で開閉することができる車種もあるので、便利装備として特におすすめです。
7人・6人乗りコンパクトカーを中古で購入する際の注意点としては、子供やペットを乗せて使用していた中古車が多く、室内が荒れた状態で使われていたかもしれません。
そのような中古車は、異臭が強く残っている場合がよくあります。エアコンを付けた際に異臭がするような中古車は特に要注意で、エアコンファンやエバポレーターに動物の毛が詰まっているかもしれません。
入庫の段階で室内クリーニングを施す業者がほとんどですが、シートの裏側が汚れている場合は、フロアやシートにダニが繁殖していることもあります。
7人・6人乗りコンパクトカーを中古で購入する際には、ボディの傷やエンジン回りの確認はもちろんですが、内装も細かい箇所まで確認するように注意して下さい。
中古でおすすめの7人・6人乗りコンパクトカー
7人・6人乗りコンパクトカーは、世界的に見ても種類が少なく、国産車にしか設定がないと言って良いほどです。
ただ、7人・6人乗りコンパクトカーは、5人乗りコンパクトカーと比べて使い勝手が良いため、コンパクトカーを中古で購入するなら、7人・6人乗りコンパクトカーをおすすめします。
中古でおすすめの7人・6人乗りコンパクトカーを紹介します。
ホンダ・フリード
項目 | 6人乗り | 7人乗り |
---|---|---|
推奨年式 | 2016年以降 | 2016年以降 |
推奨グレード | G Honda SENSING | G Honda SENSING |
推奨走行距離 | 50,000km以内 | 50,000km以内 |
搭載エンジン | L15B | L15B |
安全装備 | Honda SENSING | Honda SENSING |
駆動方式 | FF | FF |
中古車相場 | 1,248,000円~2,598,000円 | 1,388,000円~2,399,000円 |
フリードを中古で買うなら、2016年式・走行5万キロ以下の狙い目車両がおすすめ!
ホンダ・フリードは、フィットをベースに作られたモビリオの後継車で、小さな子供がいる女性をターゲットにしたコンパクトミニバンです。
ホンダ・フリードは、室内の長さが3mを超える広い室内空間が魅力で、世界的にも珍しい6人乗りが全てのグレードに設定されています。
6人乗りのホンダ・フリードは、2列目シートにホールド性の高いキャプテンシートが採用されており、長距離ドライブでも疲れにくい設計がされています。
その疲れにくい設計とは、燃料タンクを2列目シートの下辺りに設置することで、大人が2列目シートに座っても足を伸ばせるほどの広い空間を確保することに成功しています。
また、ホンダ・フリードは、子育て中の女性からの投票によって決められる「マザーズセレクション大賞」を受賞するなど、子育て世代の女性には特におすすめのコンパクトミニバンです。
ホンダ・フリードには、6人乗りと7人乗りの設定がありますが、全グレードに6人乗りの設定があるのはホンダ・フリードだけなので、6人乗りコンパクトカーを中古で探している方は、ホンダ・フリードをおすすめします。
ホンダ・フリードの7人・6人乗りを中古で購入する場合は、1,500cc直噴エンジンが搭載されている「2016年式以降」のモデルを狙うようにして下さい。
2016年式以降のモデルは、直噴エンジンに加えてアイドリングストップ機能も標準装備されているので、2016年式以前のモデルよりも燃費性能や走行性能が格段に向上しています。
トヨタ・シエンタ
項目 | 6人乗り | 7人乗り |
---|---|---|
推奨年式 | 2016年式以降 | 2016年式以降 |
推奨グレード | G Cuero | G Cuero |
推奨走行距離 | 50,000km以内 | 50,000km以内 |
搭載エンジン | 2NR-FKE | 2NR-FKE |
安全装備 | Toyota Safety Sense C | Toyota Safety Sense C |
駆動方式 | フルタイム4WD | FF |
中古車相場 | 1,780,000円~2,380,000円 | 1,290,000円~2,239,000円 |
シエンタを中古で買うなら、2016年式・走行5万キロ以下の狙い目車両がおすすめ!
トヨタ・シエンタは、6人乗りと7人乗りの設定がありますが、6人乗りはフルタイム4WDのグレードのみしかないため、7人乗りがメインとなります。
トヨタ・シエンタは、ミニバン王国と言われているトヨタが、コンパクトカーにミニバン技術を盛り込む形で誕生したトヨタ最小のコンパクトミニバンです。
世界的に見ても多人数が乗れるコンパクトカーは少なく、国内ではホンダ・フリードと共にコンパクトミニバン2強と言われています。
トヨタ・シエンタの7人乗りは、広い室内空間に加えて、新車時に選べる豊富なボディカラーが魅力で、女性から高い支持を得ています。
また、スライドドアのステップ部分がフラットになっているので、子供や年配の方でも安全に乗降することができます。2列目シートがベンチタイプになっているので、リヤシートをフルフラットにして車中泊をすることも可能です。
トヨタ・シエンタの7人・6人乗りを中古で購入する場合は、FF車専用に開発された新世代エンジン「2NR-FKE」が搭載されている2016年式以降のモデルがおすすめです。
また、2016年式以降の「G Cuero」には、トヨタ安全運転支援システム「トヨタセーフティセンスC」が標準装備されているので、特におすすめのグレードです。
フォルクスワーゲン・ゴルフ トゥーラン
項目 | 詳細 |
---|---|
推奨年式 | 2016年~2021年3月 |
推奨グレード | TSIコンフォートライン以上 |
推奨走行距離 | 50,000km以内 |
搭載エンジン | CZD |
安全装備 | トラフィックアシスト |
駆動方式 | FF |
乗車定員 | 7人 |
中古車相場 | 1,180,000円~3,780,000円 |
ゴルフトゥーランを中古で買うなら、2016年式・走行5万キロ以下の狙い目車両がおすすめ!
フォルクスワーゲンのゴルフトゥーランは、輸入車で唯一の7人乗りコンパクトカーで、フォルクスワーゲン・ゴルフをベースに開発されたコンパクトミニバンです。
フォルクスワーゲン・ゴルフ トゥーランは、日本の道路環境に適したコンパクトなサイズで、輸入車に憧れを持つ子育て世代の女性をターゲットにしています。
便利装備では、バックドアを自動で開閉することができる「Easy Open機能」が標準装備されています。また、安全装備でも全モデルにブレーキアシストシステム「Front Assist」や、滞時の疲労を軽減する「Traffic Assist2」なども標準装備されています。
フォルクスワーゲン・ゴルフ トゥーランには、ガソリン車とディーゼル車が用意されていますが、コンパクトカーの定義を考えると1,400ccエンジンや1,500ccエンジンを搭載しているガソリン車をおすすめします。
ただ、1,500ccガソリンエンジンを搭載しているモデルは、2021年4月以降に販売されたばかりの高年式車ですから、中古でフォルクスワーゲン・ゴルフトゥーランを購入するにはコスト面を考えるとおすすめできません。
フォルクスワーゲン・ゴルフトゥーランの7人乗りを中古で購入する場合は、コストパフォーマンスに優れている「2016年~2021年3月までの1,400ccガソリン車」をおすすめします。
中古の7人・6人乗りコンパクトカーを購入するおすすめの方法
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まとめ
7人・6人乗りコンパクトカーについて紹介してきましたが、国産車に限らず世界的に見ても車種が少なく、中古で購入する場合も選択肢が限られています。
ただ、5人乗りコンパクトカーを購入するなら、多人数が乗車できる7人・6人乗りコンパクトカーを選ばない理由がありません。
子供が1人なら6人乗り、子供が2人以上なら7人乗りと言う感じで選んでも良いのではないでしょうか。今回紹介した記事を参考にして頂き、素敵な中古の7人・6人乗りコンパクトカーを探してみて下さい。
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